子どもの心

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小学校入学に向けて、親がしてはいけないこと

 買ってもらった大きなランドセルを何回も背負いながら、小学校入学を心待ちにしている子ども達。それに対して、「学校できちんとできるかな」「勉強ができるようになるかな」「友達できるかな」「いじめられないかな」「学校に行きたくないと言われたらどうしょう」と、次から次へとお母さんの心配の種はつきないものですね。しかし、そうしたお母さんの心配や焦りが、かえってお子さんに悪影響を与えてしまうとしたら…。今回はそんな入学を目前に控えたお子さんにどう接してあげたらよいのか私なりに考えてみました。

1 お子さんにネガティブな言葉がけをしていませんか?

 学校できちんとできるように、困らないようにと、お子さんがうまくできないことに対しては、「そんなことでは小学校に入れないよ」「みんなについていけないよ」「先生に怒られるよ」「友達に笑われるよ」と、ついネガティブな言葉をお子さんにぶつけていませんか。無理もありません。親なら誰だって、この機会に、何とかしてお子さんに奮起してもらって頑張ってもらいたいと思うからです。もちろん、そういう言葉を言われて頑張ろうと奮起できるお子さんもいます。しかしながら、小学校に夢や希望をもって入学を楽しみにしている子ども達の心には、「できない」「おこられる」「笑われる」といったような言葉はどのように響くのでしょうか。あんなに楽しみにしていた小学校がいつのまにか心配や不安でいっぱいになってしまわないのでしょうか。
 これに対して、子ども達の夢や希望はそのままに、何とかがんばってもらいたいと思うなら、是非ポジティブな言葉をかけてあげてください。例えば、整理整頓が苦手なお子さんがいたとします。「そんなだらしがないと~」とネガティブな言い方をするのではなく、「整理整頓がはやくできるようになると、休み時間にたくさん遊べるんだってよ」「小学校の校庭は広いから楽しそうだね」という具合です。これなら、心配性なお子さんでも前向きになれるでしょう。また、ネガティブな言葉で奮起できるお子さんであっても、もっと頑張れるようになるでしょう。
 キーワードは「~ができないとこういう困ることになるよ」ではなく「~ができると、こういういいことがあるよ」です。お子さんがうまくいく姿を想像しながら、お子さんにあったポジティブな言い方を工夫してあげてください。

2 他のお子さんと比較して劣等感を与えていませんか?

「〇〇さんはきちんとあいさつができるのに~」「〇〇くんはしっかり話ができるのに~」「〇〇さんはもうひらがなが全部書けるんだって」「〇〇くんなんかもうたし算ができるんだって」他のお子さんのよいところや優れているところを見つけては、我が子のことが心配になって焦ってしまう。お気持ちはよくわかりますが、何人もの他のお子さんのよいところと比べられてはひとたまりもありません。子ども達一人ひとり性格も成長の速さも違います。また、兄弟姉妹関係や家庭の環境等,皆違うのです。とりわけ、学習面に関して言えば、「ひらがな」も「たし算」も1年生で習う学習内容です。小学校では、子ども達の意欲を高めながら、丁寧に時間をかけて指導していきます。学習を先取りすることが意欲につながることもあるとは思いますが、「知ってる」「わかる」「できる」と言って先走り、その学習で学ぶべき大切なことが十分に理解されないこともないわけではありません。
 劣等感をもつことで、その後の学習や生活に自信がもてなくなってしまいます。是非お子さんの良いところを見つけて褒めて自信をもたせてあげてください。1年生は小学校のゴールではなくスタートです。そこから一人ひとりがどのように成長していくかが大切なのです。その推進力となるのが自信ややる気だと思います。

3 お母さんが不安にならない

 小学校入学に向けて一番大切なことは、「お母さんが不安にならない」ということだと思います。お母さんが不安になると、子どもは敏感に感じて、同じように不安になります。もし、それが難しいと言うのであれば、せめてお子さんの前では不安な様子を見せないようにしてあげてください。お子さんと一緒に「小学校に入るのが楽しみだね」と思えるよう、小学校の楽しい話をたくさんしてあげてください。実は前述のネガティブな言葉がけはどうしても語気が強くなりがちでイライラしがちなのに対して、ポジティブな言葉がけは親子共に穏やかで笑顔になりやすいという効果もあると思います。
 

 以前、小学校に入学したと思ったら、すぐに「学校に行きたくない」が始まってしまったという卒園生がいました。きっとお母さんはいろいろと心配なことがあって、不安なことをお子さんにあれこれ言っていたのでしょう。挙句の果てに、その子は園服を持ち出してきて、「明日から幼稚園に行く」と言い出してしまったそうです。無理もありません。不安や心配だらけの小学校に比べたら、幼稚園は楽しくて仕方がない場所だったのですから。しかも、運が悪い(笑)ことに、記念すべき小学校の初日は入学式という堅苦しさと慌ただしさでいっぱいの一日で、楽しさの微塵も感じなかったのでしょう。
 そう言えば、入園式の翌日に「園長先生、幼稚園やめてもいいですか?」と泣きながら言いにきたお子さんがいました。きっと、その子も幼稚園に対してよいイメージが持てなかったのでしょう。「もうやめてしまうの。残念だな。これから楽しいことがいっぱいあるのに!」「もう少しだけ来てみたら」それからすぐに、園庭を楽しそうに駆け回るその子を見つけることができました。

 

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